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館長メッセージ

10月9日の秋晴れの日に第11回「こども夢二新聞」の表彰式を行い、16人の皆さんが受賞されました。

夢二郷土美術館は夢二生誕100年の記念事業として、両備グループの母なる事業である西大寺鐵道の後楽園駅跡にそれまで西大寺バスターミナルの2階にあった美術館を新築・移転し、昭和59(1984)年3月に開館しました。

 

夢二のコレクターであり初代館長の松田基さんがその美術館の命名にあたって「夢二郷土美術館」と「郷土」の2文字を入れて、私にこの名前でどうかと尋ねられた際、「名前が長いので郷土の2文字は要らないのでは?」と意見を言ったところ「この郷土の2文字に意味があるのだ」と言われ、それ以上の説明はありませんでした。

 

「こども学芸員」の活動や「こども夢二新聞」の活動を通して年を経るごとにこの「郷土」の2文字の意味が深まってきています。

 

今回も竹久夢二さんが大正3(1914)年に郷里岡山で開催した作品展で、学生時代の絵の先生である服部杢三郎さんや岡山での絵の仲間たちと、今回、新聞を書いてくれた青木さんの高祖父と夢二さんと環さんとが一緒に写っている写真や資料が見つかったり、高校卒業で今年が最後の新聞となる小橋利恵さんは昨年の夢二検定のアイデアに次いで、「夢二かるた」を提案してくれただけではなく、かるたのサンプルを当日作って届けてくれたりしました。

 

また、館長賞に輝いた片山さんが「夢二が天才か、努力家か?」と問題意識をもって書いてくれた記事は圧巻です。

 

これらの活動は、夢二の郷土でしかできないものであり、また郷土でしか発見できない「こども」ならではの視点だと言えるでしょう。

 

この「こども夢二新聞」の活動から興味を持って、更に「こども学芸員」として活動していただきたいし、夢二のことが好きなこどもたちがどんどん育って「郷土岡山」が生んだマルチアーティストである夢二と、その作品の素晴らしさに誇りを持って、同郷の「伝道師」として夢二芸術を伝えてもらえれば最高です。