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2026年3月7日、竹久夢二学会(岡部昌幸会長)の総会が開催されました。
今次総会において、当会正会員で大阪大学名誉教授の故・廣田昌希氏の著書『異国の夢二』が「第3回竹久夢二学会賞」に選出され、授賞式では奥様が賞を受け取られました。
■受賞理由
選考委員会は、受賞理由を次のように述べています。
「竹久夢二の生涯と思想を、著者が生涯をかけて研究してきた専門分野である『日本思想史』の新たな視点から捉え直した。著者にとってのライフワークとして高く評価されるものである」
式典では、京都大学名誉教授の高木博志氏により、本著作についての分かりやすい受賞解説が行われました。
■記念講演について
その後、夢二郷土美術館と当学会の共催により、兵庫県立美術館館長の林洋子氏を講師に迎え、「竹久夢二、国吉康雄、藤田嗣治 ― 1880年代生まれの美術家たち」と題した興味深い講演が行われました。
・同時代の美術家たちの接点
1884年岡山生まれの夢二、1889年同じく岡山生まれの国吉、1886年東京生まれの藤田(レオナール・フジタ)。同時代に欧米で名を成した藤田と国吉には多くの接点がありますが、年長の夢二は若くして「大正ロマンの旗手」として一世を風靡していました。当然、藤田も国吉も夢二の活躍を知っていたと推測されますが、今回の講演内容では、彼らの間に明確な接点は見いだされませんでした。
■夢二と画壇との交流
この講演を聞いて 夢二と画壇の交流がどうだったのかということを改めて考えてみると、独学で絵を学んだ夢二ですが、当時の洋画壇の重鎮であった藤島武二や岡田三郎助を熱心に訪ね、助言を得るなどの交流がありました。藤田の従姉が岡田三郎助と結婚していたという縁を考えると、師弟関係を通じて何らかの接点があった可能性も考えられますが、詳細は定かではありません。
■1880年代という時代
1880年代は、西洋美術史においても「印象派」が円熟し、そこから「ポスト印象派」が生まれた極めて重要な時代です。モネやルノワール、ドガといった巨匠が活躍する一方で、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャンなどの個性派が台頭しました。この特筆すべき時代に夢二たちが生を受け、活動していたことは非常に興味深い事実といえるでしょう。
その時代背景の中で夢二の活動を捉え直す充実した講演になりました。






