日本最大級のミュージアム情報サイトの「インターネットミュージアム」が開催した「ミュージアム 干支コレクション アワード 2021牛」で夢二郷土美術館所蔵の掛軸《秋の山路》が2,683票を獲得し、グランプリを受賞したことが2月27日の山陽新聞朝刊に掲載されました。
グランプリを受賞した作品《秋の山路》は1915(大正4)年ごろ制作の作品。
「ゆく秋の山の谷々わが母は いかに寂しく住みたまふらん」
という酒井仙影の歌が画賛にあり、陽が沈み山が次第と青さを増す夕暮に、野の花が咲いた山の小道を黒い牛をひいて家路につく農婦の姿が描かれ、故郷や母を追慕する夢二の心情がしみじみと表現されています。
このアワードは2015年から毎年開催され、日本全国のミュージアムが誇る所蔵品の中から各年の干支に関連する作品を紹介し、人気投票を実施する年末恒例の企画。
2021年は「牛」を題材とした作品82点がエントリーされ、2020年12月15日~2021年1月28日の期間で投票が行われました。2位は《コブウシ土偶》古代オリエント博物館で2275 票、3位は《牧牛図》酒田市立資料館で535 票の獲得でした。
「郷愁と慕情。切なくも温かい。たくさんの思いが伝わる絵。」
「郷土の誇りです!この絵を見るととても落ち着きます。この作品をきっかけに他の作品にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。」
「山に葉の落ちた木、牛と少し背の曲がった女性(母)、空には鳥(雁)が飛び、遠く故郷(老いた母)を偲んだノスタルジックで情緒溢れる、物語を感じさせる素晴らしい作品。」
「竹久夢二といえば大正ロマン漂う美人画のイメージがありますが、このような田舎の風景を描いていたことを知り、驚きました。ぜひ実物を鑑賞しに夢二郷土美術館へ伺いたいと思います。」
「昭和・平成を経て更に令和の現代においても褪せる事なく、哀愁と臨場感の漂う夢二の傑作の中の一つにカウントすべき作品である。」
など、400件以上の応援メッセージをいただきました。
また、受賞を記念して《秋の山路》を現在開催中の企画展『松田基コレクションⅩ:夢二名品展 特別公開 生誕100年藤田喬平のガラス』内で2月6日(土)~3月7日(日)まで夢二が郷愁を描いた作品とともに特別コーナーにて展示し、グランプリ受賞を記念して、2月6日(土)より先着100名様に《秋の山路》のオリジナル絵はがきをプレゼントしました。
コロナ禍で大変な状況の中大変励みになり、投票いただいた皆様、またご来館いただいた皆様に心より感謝申し上げます。