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館長メッセージ
夢二郷土美術館館長
小嶋光信
夢二郷土美術館の「こども学芸員」も第3期生となりました。メンバーは小、中、高校生の合計14名で、それも3年連続が5名、2年連続が2名と、まさに「継続は力なり」です。
この「こども学芸員」が生まれたキッカケは2011年に始めた「こども夢二新聞」で、参加者の皆さんの研究熱心さに応える形で誕生しました。
日本の学校教育では、どうしても印象派などの欧米美術が中心となりがちで、美術の時間に日本の絵画や美術が教えられる比重が少ないため、急速に日本美術の国民離れ、若者離れが続いています。
今年の夢二生誕130年では、ロートレックと夢二を取り上げ、印象派が如何に日本の浮世絵や版画の影響を受けたのか、また逆に日本もその印象派からの影響を受けつつ、相互に発展していったことを捉えていきたいと思っています。
そして、日本美術の影響を受けた印象派を通じて、日本美術の素晴らしさを再認識して欲しいという試みです。特に次代を担う若者に、日本美術への興味を西洋美術並みに持って欲しいと願っています。
第1回の「こども学芸員」の取り組みでは、メンバーのひとりが、故郷での思い出を描いた夢二作品『童子』の画中の輪になって遊ぶ子どもの一人について、「一人だけ裸足で、虚ろな目をしているので、きっと人形です」と鋭い観察眼を発揮し、ビックリさせられました。
その意味でもこども学芸員の存在は貴重で、夢二芸術を子どもの頃から継続的に研究していくことで、夢二の新たな魅力が子ども目線で発掘されると期待しています。
子ども達が夢二をより良く知って、郷土の生んだ竹久夢二の芸術に誇りを持って次代への伝道者に育ってくれればと願っています。