
大正3年頃(1914)/絹本着色
夢二郷土美術館を創設した、松田基初代館長のコレクション第一号の作品です。
京都の加茂川の彼方を眺める舞妓の白いうなじから、肩、着物の裾に至る
やわらかな曲線に、日本女性の美しさが表現されています。
かすれた描線は、コマ絵・挿絵などの小画面から、
縦長の大画面に挑んだ夢二の初期の作品の特徴です。
淡い色調の画面を、赤い襟(えり)と黒地に大きく草花を配した、
だらりの帯がひきしめています。
舞妓のファッションに見られる斬新な夢二のデザインは、
現代の私たちが見ても新鮮です。