館長挨拶

ふるさとが育てた夢二と大正ロマン

夢二郷土美術館館長 小嶋光信

夢二のふるさとにある美術館、夢二郷土美術館のホームページへようこそ!

「いつの時代にも夢二は新しい」と言われますが、夢二が描こうとしたのは夢二自身の心の中の詩であり、夢二作品を通してその心にふれることがいつの時代にも共感をよんでいるのだと思います。

この夢二芸術を育んだのは岡山県邑久町の広々とした千町平野の豊かな風土であり、夢二が生まれ育った生家で、夢二が少年時代を過ごした部屋の窓の柱に嫁いでゆく姉を慕って裏文字で書いた名前や穏やかな農村風景を見ていただくと、夢二の心にふれることができると思います。

そして日本のベルエポックとも言える時代の「夢二の大正ロマン」が、まさに心のふるさとを感じさせるのでしょう。

憂いを秘めた大きな瞳、独特の大きな手足とゆるやかなS字のラインで描かれた女性たちや、今でも真新しいデザインの数々、詩人であり画家であり、更に挿し絵や装丁、封筒や便箋、半襟や帯の図案等々、庶民の日常の暮らしに芸術を取り込もうとした、まさに日常生活のデザイナーの草分けとも言ってよい、世界でも稀なマルチアーティストです。

そして夢二が愛する彦乃さんと訪れた岡山後楽園から一歩きで、ミシュランが「日本のロートレック」と称される竹久夢二の美術館として一つ星に認定してくれた夢二郷土美術館 本館があります。日本一の収蔵数を誇る肉筆作品の数々が来館される皆さんを魅了してくれるでしょう。

夢二の生まれ育った邑久町にある生家と、美術館本館で夢二が描こうとした「心」を感じていただければ幸いです。